2月25日土曜日19:00、JZ Bratに集合。
今晩のBreak’n Jazzで共演するquasimodeの後でリハーサルに入りました。
渡辺さんの楽器、ヴィブラフォンというのは持ち運びが大変で、ライブや練習の度に毎回バラバラの重い部品を組み立てなければなりません。この日も渡辺さんはroutine recordsの西崎さんと二人がかりで工具を持ち出し、土台の組み立てや鉄琴部の調整など、ほとんど大工仕事のようにトンテンカンと忙しそうです。それを眺めながら生来めんどくさがりのタケシは「たいへんだなあ」と感想をもらし、自分だったら組み立ての途中で気を失ってると思ったようです。
タケシは少年時代、元々サックスが欲しかったのですが、「手入れがめんどい」という事実を知るなりすぐに諦めてしまいました。めんどくない方向で楽器を突き詰めて行くと究極は「たて笛」になるのですが、バンドのパートにはなかなか「たて笛」を必要とする場面が無く、最終的にキーボードに落ち着きました。更に彼は「出来るだけ持ち運びに楽なキーボードを探すためならば、人生の貴重な時間をいくらかけたって構わない」という頑とした人生哲学を持っていますが、言葉のアツい響きの割にあまり立派な内容とは思えません。(彼は小学生の時も「この重いランドセルをいかにして同級生に持たせるか」という命題に熱心に取り組んでいました。尊敬する人物はジャイアンだそうです。)
滞りなくリハーサルが終了。メンバーは一旦めいめい食事などに出かけました。
今回初めてボーカリストとしてステージに立つタケシは、いつものライブと違う緊張を感じているようです。今まで何百回もライブをおこなってきた彼ですが、よし頑張ろう、と声に出して自分を奮い立たせていました。全くもって「頑張ろう」という言葉が似合わない男です。
JZ Bratに戻ると早くもお客さんが満杯で、フロアもアツくなってきています。よく見るとフロアでひときわアツく踊っているのは渡辺さんではありませんか。ライブ前にもかかわらず渡辺さんから溢れるファンクネスはどうにも止めようがありません。先ほどやや緊張を示していたタケシもライブ直前になるとすっかりいつものハイテンションに戻り、ノンアルコールなのにうるさいほどに饒舌です。
三浦さんのドラムと猪俣さんのボンゴの掛け合いから始まるやいなや、タケシが全くのアドリブでコーラスを入れます。やっぱり超アドリブ芸人・タケシ。スタジオ練習と全然違う展開でスタートしてしまいました!
渡辺さんのカウントをきっかけに曲に突入!一斉に沸き上がるオーディエンス!
曲中もタケシはアドリブ連発、我々メンバーは驚きつつ呼応しつつも「どうなっちゃうんだろう!?」と、むしろこのスリルに期待を大きくしました。
MCでは漫才コンビ「タックン・マックン」ぶりを見せつけ、饒舌な二人のベシャリを展開。
スライ&ザ・ファミリーストーン「Family Affair」、リーバイスのCMでお馴染みHipster Image「Make Her Mine」と続くと、タケシはいきなりハンドマイクになり客席にせり出すという、全く予想外の行為に躍り出ました。バンドメンバーの我々もびっくりです!オルガンはたまにしか弾かず、顔芸や振り付けとともにオーディエンスを煽動!
タケシの「スペシャルだろ〜?」のMCを待つまでもなく、あまりのスペシャルぶりに観客も驚き歓喜の嵐!渡辺さんも「ノってる!?」と、味ありまくりのMCを披露、バンドのテンションも相当上がり、勢い余って次の曲がもの凄いスピードでスタートしてしまい、慌ててタケシがアイコンタクトでテンポを下げていました。そのスピーディーな本格派4ビート、タケシの歌が始まれば何とこれはKuwata Band「スキップ・ビート」の高速ジャズカバーではないですか!
タケシはもはやオルガンの位置には戻ってこないほど完全にハンドマイクの独壇場、さっきの緊張していた姿は一体何だったのでしょう?嘘のように攻めのボーカルスタイルです!
ジャンプして曲を締めると矢継ぎ早にカウントが入り、早くもラストソングのシュガーベイブ「今日はなんだか」で場内大合唱。展開部分では「Woo!Yeah!」のオーディエンスとのかけ合い大会に。
「楽しかったのでこのスペシャルユニットのCD作ろう!」と宣言し、ライブは終了!
予想外のことだらけでしたが、中塚武+渡辺雅美の二乗されたファンキー度の凄まじさ、二人の饒舌ぶり、そしてタケシの目立ちたがりぶりが浮き彫りになった夜でした。
このユニットの今後の展開が非常に楽しみなのですが、予測不能過ぎてスタッフの我々としてはどうなっちゃうのか不安もいっぱいです。
スペシャルユニットのライブスタート!
歌うタケシ。渡辺さんも真剣そのもの。
段々ファンキー度を上げるお二人です。
いい感じにテンションが上がってきました!
タケシの鍵盤を勝手に叩く渡辺さん。お茶目!
ハンドマイク寸前のタケシ。それを期待して見てる猪俣さん(Per)。
そのまま客席に突入していくタケシ。
みんな激しくプレイ中!
まさに独壇場。
場内も大合唱!大盛り上がりです。