ライブ遠征となるとミュージシャンの楽器の移動が大変です。なぜ中塚武のバンドは、ふえ、カスタネット、トライアングルで構成しなかったのでしょうか。これなら軽いし、ポケットに入れて持ち運べるし、どの曲も「ピーピー、カタカタ、チーン」というクールでソリッドなアンサンブルで、R&Bシーンに衝撃と旋風を巻き起こしたことでしょう。
「ピーピー、カタカタ、チーン」だと「和音が出せない」という理由もあって現在の編成に到ったわけなのですが、そうするとやはり、移動は大変になります。最も大変なのはウッドベースの玉木君。普通にもう一人分の切符を買わなければならないくらいデカイ楽器、新幹線では乗降口付近にくくりつけ、タクシーに積み込むのもひと苦労です。京都では運悪くコワモテの運ちゃんのタクシーになってしまったので、「ダッシュボード当てんなや、当てんなや、、このアホンダラ、当てんな言うたやろがい!」と怒られてしまいました。
このタクシー、京都では知る人ぞ知る有名な「永吉タクシー」というのだそうで、内装は完全YAZAWA仕様。出発するやいなや矢沢永吉のDVDを見せられ、永ちゃんを師と仰ぐ運ちゃんのロック論を聞かされるという、まさにR&Bシーンに衝撃と旋風を巻き起こすタクシーなのでした。
そんな手厳しい京都の洗礼を受けながら、会場となる京都ミューズホールでサウンドチェック。中塚武も「ミュージシャンもサイコウ、オレもサイコウね」とYAZAWA度高い手応えを感じながら、いざ本番に臨みます!
高速4ビートの『The Theme of “JOY”』の、さらに高速バージョンからスタート!サックスとギター、中塚武のピアノが超高速で絡み合います!
そしてドラムのカウントから間髪入れずに『Make Her Mine』『Skipped Beat』を披露。中塚武のセクシーな歌声と仕掛け満載のリズムセクションが、まるで技巧的な前戯のごとく展開されるのです(子供は真似しちゃダメ!)。
と思ったら今度はタケシの三枚目ぶり全開のMCコーナー。饒舌な彼のトークはやはり長くなってしまうので、強制的に『Lift Me Up to the Sky』をスタート!そして間髪入れずに『SEXY VOICE AND ROBO』の怒濤のグルーヴ!ウッドベースもグイグイうねり、頑張って持ってきた甲斐があったというものです!(カスタネットにしなくてよかった!)
そしてテンションが最高潮に上がった会場を、華やかでハッピーな超大文字焼き『Your Voice』『Just a Pretty Song』の2曲でしめくくりました!う〜ん、YAZAWA度ならぬTAKESHI度高い手応え!
深夜にはWeller’s Clubにて、今度はDJ・中塚武として再登場し、さらなるハッピネスを発砲!重い物は絶対に持たないでおなじみの中塚武。そんな彼が、明らかにカスタネットより重いキーボードとレコードバッグをここまで持って来ることができたのはなぜでしょう?それはね、京都のみんな、「オマエラもサイコウ」だからなんだよ!
後光が差してます。ステキ!
本日YAZAWA度高め。
(photo by BM)
打ち上げにて。酒にありつきとうとう壊れるタケシ。