Column

<ターゲット客層>

ターゲット客層などと考えている時点で、その人は音楽家として終わっている。

  1.  
    これを読んで、
    ドキっとされてる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

    私は中塚さんが作曲のおしごとをお受けするスタンスとして、

    『自分の100%でしごとをして、それでクライアントから直しを求められる様であれば、直しに応じるのではなく他の方に頼んでくれとお願いする』

    との立ち位置であるとラジオで拝聴して、
    “この人すごい!”
    とつよくおもいました。

    だから色とりどりのヴァリエーションがあるにも関わらず、
    ‘それ’はまごうことなく‘中塚さんの音楽’なのですね。

    例えばNHKfm【Music Line】の新テーマ音楽ですが、
    番組冒頭は爆発と云うかスパイスと云うか衝撃度が高い感じで、
    番組が終盤になるにつれしっとりで静謐な感じに構成されているのが、
    とてもとてもすきです。

    • NAKATSUKA TAKESHI

      viviaさん:
      「ターゲット客層」というのはビジネスとしての考え方なのですよね。
      ビジネスはビジネスとしてまったく否定はしませんが、音楽家が曲を作る時に考慮することではないように感じています。
      「愛するあの人やこの人のための曲」というターゲットなら大好きですが、「客層」なんていう不特定多数に向けて作って何が楽しいのか、と感じます。

      あと、同じように感じる言葉に「セルフプロデュース」という言葉がありますね。僕はいつもその言葉を聞くたびに「何それ?」と思ってしまいます。
      「自分が好き好き」というのは自分の人生をデザインする上で大切ですが「自分を見て見て」となると話が別ですものね。

      セルフプロデュースやターゲット客層は、自分の音楽とは別次元の話で、「音楽を作り終わった、次の段階の話」と思っています。
      そこに長けた人は「音楽の次の段階に長けた人」ですから、別の職業なのだと思います。

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