朝・昼・夜・夜中・朝方、いつ電話しても中塚武はだいたい起きていて、「おいっす〜」と元気に電話口に出ます。毎日を音楽にいそしむ疲れ知らずのワーカホリック男・中塚武は、いったいいつ寝ているのでしょうか。
どうやら彼は、一日の中で小刻みに睡眠を取っているらしいのです。
渡り鳥は飛びながらでも眠り、マグロも泳ぎながら眠り、サバンナの動物たちも決して長い睡眠は取らないといいます。周囲の敵や獲物の動きを決して逃さないよう、常に神経を鋭敏にとがらせているとそういう眠り方になるんだそうです。人間でも、危険と隣り合わせの生活を送る者達、たとえば軍人は行軍しながら眠り、タケシが敬愛する『ゴルゴ13』も一日の睡眠を5分で済ませるという特技を持っています。
ということは彼はまさに野生生物やゴルゴと同じ眠り方、どんだけデンジャラスな生活をしているというのでしょう。あるいは、地下鉄を地下に入れることを考えすぎて眠れなくなってしまった往年の漫才師のように、アホなことを考えてて眠れないのでしょうか。
何度か彼の寝姿を目撃したことがあるのですが、彼はなぜかずっと「うつぶせ」で寝ています。短い眠りの原因は、もしかして単にこのうつぶせという姿勢のせいで深く眠れないだけなのかもしれません。
いや待てよ?
うつぶせの寝姿を目撃した海外ライブ遠征の時などは、彼は観光の時間を削っても人よりたっぷり眠っていることが多い。ということは小刻みではあっても、割とたっぷり寝ているのかな?こちらが知らないだけで、「おいっす〜」と元気に電話口に出た以外の23時間は、ずーっと寝ていることだって考えられます。
寝る子は育つ、と言いますが、彼は最近なぜか身長が伸びたそうです。
考えれば考えるほど夜も眠れません。