先日、雑誌の取材で、小さい頃になりたかった職業を訊かれて思い出したのですが、僕は小さい頃は電車になりたかったんです。いや、運転手じゃなくて、電車そのものね。車輌。
当然のことながら運転席のある先頭車両になりたかったのですが、東海道線にするか東急東横線にするか本気で悩んでました。湘南の夏のミカン畑をイメージした東海道線のオレンジと緑のラインも捨てがたいし、東横線のオールステンレスボディも大変魅力的でした。ステンレスボディという点では昔の日比谷線もかなりそそられましたが、やはり先の2つには勝てなかった。
で、本気(と書いてマジと読む)顔で母親に訊いたんですね。幼な心に考えた訳ですよ、親としては息子に将来どっちになって欲しいのか、と。そしたらアナタ、人間は車輌にはなれないと言うではありませんか!・・・愕然とする僕を慮ってなのか、それとも頭の弱い息子を励ます意味でなのか、母親は僕に優しく告げました。「運転手だったらなれるよ」。。。人生において初めての挫折体験でした。