資生堂ピエヌ(現マキアージュ)2005春のCM曲として制作した楽曲。
前年(「Cherie!」使用)から担当していたこともあって、CMではかなり珍しいことなのですが、先方からは「中塚くんの好きに作ってもらって良い」と言われて作り始めました。
僕は「好きに作って良い」と言われると本当に好き勝手に作ってしまうので、作った後に「やり過ぎです…」と困惑顔で戻されることが多いのですが、そこはさすが資生堂、大きな度量で受け止めてもらえました。
自分の声を10声重ねて子音のアタックを揃え、余韻をばっさりカットしていくことで特殊な効果を得るこの手法は、その後「Kiss & Ride」「Black Screen」でさらに発展させましたが、もともとはこの曲で最初に試みました。
9年前に手作業でこれを作った時は我ながら「大発見!」と一人ほくそ笑んだものでしたが、今ではDTMの進歩もあって、ボーカルプロセッサーやグリッチなどのプラグインで簡単に再現できてしまい、内心「ナヌ〜!?」という心境でいっぱいなのはここだけの話です。
オケトラックは、アコースティックギターを2本録音して、それもやはり余韻を16分音符でカット。それぞれにリバースや軽いモジュレーションをかけてクリックハウス的なアプローチに。
「Db△9」ワンコードのような進行ですが、3拍目のベースを第一転回にすることで「Fm7(b13)」とのツーコード進行に聞こえさせています。
先日教えてもらったのですが、現在はTBS「内村のざわつく夜」のオープニングテーマとして使用されています。
9年前に好き勝手に作った曲が、9年後の今になってゴールデンタイムのTV番組から流れるのも感慨深いなあ〜…と思いつつも、ひと声かけてくれれば新曲すぐ書くのになあ〜(好き勝手に)…とも思ったりしています。
この「Magic Colors」は、QYPTHONEではない
中塚武さんの音に出会えた曲です。
TVから聴こえた瞬間に耳が釘付けでした、一耳惚れです。
私にとってこのCMの主役はピエヌではなく女優さんでもなく、
中塚さんの曲でした。
短いコマーシャルの中でインパクトを与える事が出来る、
こんなカッコ良い曲はそうそうないかと。
中塚さんは多様に楽曲を作られてますが、
Magic Colorsは「中塚武氏三大カッコ良い楽曲」の1つです。
& On and OnとBlack Screen。
何度聴いても何時聴いても、本当に新鮮でカッコ良い。
「10年経ってもみずみずしい曲」
この曲もその1つだと思います。
Yuki Yさん:ありがとうございます!3大カッコイイ曲のひとつに挙げてもらえて嬉しい♫これからもその3曲の地位を揺るがす曲を作ります!