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収録曲解説⑤【冷たい情熱】



アルバムでの発表は昨年の『Lyrics』ですが、曲そのものは2011年秋にホームページ無料配信TAKESHI LABで発表していました。僕の曲作りの大きな転機になった楽曲です。

リズムパターンやジャンルはもちろん、キーや拍にも囚われずに頭の中のイメージをそのまま音にするという試みを、初めて実践できたと思えた楽曲でした。
イメージに正直に作ってみたら思いっきり変拍子になってしまいました。僕の性格はどこまで歪んでいるのでしょうか。

歌詞でも大きな試みをしています。普段の生活では目を背けがちな「自分ってこれからどうなるんだろう?」という漠然とした不安を、漢文訓読的な筆致の日本語で書いてみました。
こういう曲調にこの日本語詞を乗せることで、これからの日本語曲のありようを自分なりにつかみ取ることができました。

ホーンセクションは、トランペット佐々木史郎さん、サックス本田雅人さん、トロンボーン清岡太郎さん。
史郎さんは僕のレコーディング作品では欠かすことのできない大切な方で、ホーンアレンジをする前に、まず史郎さんのスケジュールを押さえられるかでアレンジの方針が左右されるほどの最重要人物のひとりです。
この「冷たい情熱」も、史郎さんと出会わなければ生まれなかった多くの楽曲のひとつです。

今回DVDとして同梱されるMusic Videoを制作したのは杉江宏憲さん。
杉江さんがNEWS ZEROのビジュアルデザインを手がけていたことをTwitterで知り、そのままTwitter経由で意気投合して良き飲み仲間になってしまいました。SNSってすごいなあ。

完成した動画は、さすが天才としか言いようのない仕上がり。
MV公開直後にオーストリアの芸術祭アルス・エレクトロニカから突然連絡があり、なんと招待作品としてエントリーされてしまいました。杉江さん恐るべし。
ぜひ今回のDVDで堪能していただければと思います。

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