コナミという会社は今でこそスポーツクラブやプロ野球のスポンサーなど、ゲームという枠からスポーツビジネスの世界に飛躍を遂げようとしていますが、そのルーツは1984年のロス五輪の一年前にリリースされて大ヒットした「ハイパーオリンピック」にあるわけです。
会社というところは、ひとたび大きいヒットを出したジャンルが「名物部署」として社内で定着するものなんですね。おそらくコナミ社内でも「スポーツはコナミ」みたいな風土がじわじわと根づいていたのではないかと。そのジャンルで次のヒット作が生まれるまで待てるだけの「懐の広さ」みたいな空気が社内に充満するんですよね。
周囲が待ってくれる、ということはそれだけ期待も大きく、必然的にプレッシャーも大きくなる訳ですね。その期待に応えたいがために、結局は安易に二匹目のドジョウを狙ってしまう。いわゆる「続編」ってヤツです。この続編というのが曲者で、最初の作品を超えるのは難しかったりするのが世の常というか無常というか。周囲は「攻めの姿勢」を期待しているのに、作り手側が「守り」に入っちゃうんですね。欲が恐怖心に変わる瞬間、すなわち、成功が失敗に変わる瞬間。
続編である「ハイパーオリンピック’84」はやっぱり非常に微妙な結果となりました。第一作に勝るとも劣らぬ優れた作品だったのですが、やっぱり攻め切れなかったんでしょう。成功体験のあとこそ、むしろその成功を捨てるくらいに強い攻めの気持ちが必要なんですね。でないと、たった一つの小さな成功に自分自身が押し潰されてしまう。
ちなみにこのシリーズで初めてカーリングというスポーツを知ったなあ。今でこそ花盛りのカーリングですが、実はゲーマーの間ではかなり以前からメジャーなスポーツでした。