根っからのゲーマー気質である僕は、遊びやゲームのルールを考えるのが大好きで、小学校の時には毎月のように新しい遊びを考えてはクラスメートと試し遊びしてみるという、ヒマな時間が有り余っている小学生ならではの生活スタイルを貫いていたものです。職員室では「中塚は遊びの天才だ」とまで噂されていたのですが、いい大人になってもその気質を引きずる今となっては、遊びすぎて「天災」に成り下がっています。
そんな気質を持つ僕にとって、よく取材等でライバルや憧れの人を挙げろと言われても誰一人としてミュージシャンを思いつかないんですね、音楽家のくせに。それよりも、別の肩書きを持ちつつ面白いゲームを作った人物に憧れと羨望を抱いてしまうのです。Psy-sの松浦雅也氏(「パラッパラッパー」作者)や糸井重里氏(「MOTHER」シリーズ作者)などには憧れや羨望などではなく、憎たらしくてワラ人形を作りたいくらいであります。
そんな僕の「五寸釘リスト」には「I.Q.」というゲームを作った佐藤雅彦氏も当然入っております。古くは超売れっ子CMプランナーとして、最近では「ピタゴラスイッチ」の企画者としてもおなじみの、日本を代表する「遊びクリエイター」のひとり。「I.Q.」に至っては「夢の中でルールを思いついた」なーんて天才肌なコメントを言ってのけており、天災肌の僕としてはそれだけで悔しいのですが、このゲームがまた面白くてイヤんなっちゃう。
彼の書く本も変わっていて、企業CMポスターを勝手に考えて作った「勝手に広告」や、世界一長い本「Fが通過します」など、まさにアイデア一発勝負の本が多くてどれも最高。
その中でも可愛くて笑えるのが「ぴったりはまるの本」。家にある日用品の輪郭だけが延々と描かれていて、そこに何かがピッタリはまる、という本。「よくこんなアイデア一発が本になるなあ」と、そのくだらなさに呆れつつもニヤケてしまう。
くだらなくて、笑えて、ポップ。うわぁ、僕の音楽そのままやんけ。