Column

<「何を」でなく「どれだけ」>

信念の強度は「何を信じるか」ではなく「どれだけ信じるか」に拠る。
名言や自己啓発の類に振り回されている時は、信じるものごとの種類が多すぎるのかも知れない。

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<作品の鑑賞>

その分野での初心者は、あえて事前情報に触れずに作品を味わう姿勢が大切。
そうすることで未熟な先入観を回避できる。


中級者になると、その分野ですでに多くの情報を知ってしまっている。
なので、先入観や事前情報に囚われずに作品を味わう柔軟性が大切。
そうすることで視野の狭さを克服できる。


中級者を過ぎると、自分自身の作品にも生き方にも信念が確立している。
なので、先入観や事前情報を踏まえた上で作品を味わう懐の深さが大切。
そうすることで初心にかえることができる。

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<情緒>

聴覚情報を情緒に変える。
音楽家の仕事はこの一点に尽きる。

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<感覚>

感覚で判断する大切さは、
「先入観と知識に毒されない」
という点に尽きる。

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<呼吸>

何を始めるにもまずは自分の呼吸をコントロールする。
自分の呼吸をコントロールできずに他の何物をもコントロールできない。

呼吸のコントロールの難しさを実際に感じとる。
いかに呼吸のコントロールが難しいかを知ることで、他の何物のコントロールがさらに難しいことを知る。

呼吸を意識することは、コントロールできるものとできないもののを見分けをつける力を養う。
そして、コントロールできないものを見限る気力を養う。

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<最大の敵>

モノ作りの最大の敵は忖度。
演奏本番の最大の敵は誇示。
結局のところ、最大の敵は他人でなく自分の感情。

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<行動の指針>

「過去の解釈」を行動の指針にしない。
「未来からの逆算」を行動の指針にする。

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<予想しない>

完成の前に予想しない。
鑑賞の前に予想しない。

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<謹賀新年2012>

あけましておめでとうございます。
旧年中は皆さまのお力で、本当に充実した音楽生活を送ることができました。
本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。


今年の僕の目標は、色々あるのですが、何といっても、

「遊びごころ。とんち。」

に尽きます。
楽しいことも、根気のいることも、すべてに遊びごころで挑む。
ここ10年ほどで、この国から急激に遊びごころが失われた気がしています。
そして昨年でとどめを刺されたように、不謹慎という名の言葉狩り。
ヒステリーがこの国を覆ってしまいました。

この一年は、ヒステリックに反応してしまう内容でさえも、いったん遊びごころを持った視点で捉え直してみる習慣をつけようと思います。
その態度を貫けば、建設的かつ、とんちの利いたアイデアが出るはずです。

遊びごころ。
とんち。

精神がゆったりとする言葉だなあと思っています。

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